瀬戸内海の海と浮かぶ島々をゆったりと眺めながらオリーブ栽培をするのが憧れでした。都会で40年以上暮らしてからのUターンですので、オリーブを通して地元の人々と親交を深めたいという想いもありました。
10年ほど前に当時勤めていた会社が発刊する情報誌の取材のために小豆島を訪れました。オリーブ会社の技術顧問の方にインタビューした後、山の中腹にあるオリーブ園に案内された際に「この景色を眺めながら剪定作業をするのが至福の時です」と青い海を見ながら目を細めて満足そうに言われた顔がとても印象的で、それがオリーブの栽培を始めようと思ったきっかけでした。
オリーブは傷がつくと酸化が始まります。傷つけない為にオリーブの実を一つ一つ手で摘んで収穫するのは大変な作業ですが、搾りたての美味しいオイルを口にすると一年間の労が報われたという充実感があり明日も頑張ろうという気になります。
また、嬉しいことに友人や知り合いが収穫作業を手伝いに東京や大阪からはるばる駆けつけてくれたりもします。
ただ収穫前までの草刈や炎天下の病害虫防除や雑草防除は身心ともに大変疲れます。小豆島と同じ瀬戸内海に面している多度津ですが、小豆島とは若干環境が異なるため発生する病害虫も違います。多度津のオリーブ栽培に合わせた、最適な病害虫防除暦が必要と感じています。あと台風による倒木や落果などもあり、一朝一夕ではおいしいオリーブはつくれないということを日々身を持って感じています。
また、多くのお客さんに認知していただくことが大切と考え、主要都市で開催される商談会に積極的に参加しています。これからも美味しいオリーブの製品を安心して召し上がっていただけるよう衛生管理を徹底して、安全で安心な美味しい製品を生産者と共に提供できるよう一生懸命努力して参ります。